Mymed

アナザー脱獄姫の選択

 ハデスのワープ能力を使い、前線を超えて人間界へと降り立った姫とあくましゅうどうし。見た目に多様性のある魔族と違い、人間界にはツノやしっぽが生えている個性はないため、見ただけで素性がバレてしまう。その対策について悩んでいるため、まだ二人は街に入ってすらいなかった。
「こう考えると、人間の排他性に多少問題がある気がするね」
「姫はどっちの味方なの」
「このツノ、折れる?」
「折れないよ! ヤギの角は生え変わるものじゃないから削るのも嫌だ」
「仕方ない。こう、髪を巻き付けてそういう髪型ってことにする? それか大きいお花の冠で隠れないかな?」
「もっと普通に帽子とかないかなぁ?」
「あ」
 姫が指差したのは、少し離れた街道をゆくキャラバン。砂漠の地方に住む行商はターバンを巻いていた。
「あの服を買ってくるからお金をちょうだい」
「そんなにお金ないよ」
「じゃあ前線の魔物と冒険者をまとめてえいっしてくる」
「だ、だめだよ! 危ないし! お金を渡すから……」
 人類と魔族の戦争が終わる最短ルートを提示した姫だったが、そのルートは永遠に訪れない。姫がキャラバン隊と交渉するのを遠くで眺めていたあくましゅうどうしだが、姫が幌馬車に乗り込むのを見てふと我に返った。
(姫があの人たちに助けを求めれば、保護してもらえるんじゃないか?)
 事実、姫はもう既に幌馬車の中だ。素直に待っていた彼は、膝を抱えて膝の間に顔をうずめた。
(お別れくらいは、言ってほしかった)
「……姫……」
「何? 見て、着替えさせてもらったの。民族衣装って可愛いよね。おまけで飴ちゃんももらっちゃった」
「!?」
 既に傷心モードだった彼が顔を上げると、砂漠の地方の民族衣装に身を包んだ姫がポーズを決めながらくるりと回ってみせる。
「……キャラバンに、保護してもらったのかと」
「なんで?」
 心の底からわからないというように首を傾げる姫に、ほっと息をつくあくましゅうどうし。彼のしっぽは心情を表すかのようにわずかに揺れた。
「……姫まで……その服を着る意味はあるの……?」
「これなら二人で並んで変じゃないと思って。はい、レオ君の服」
 姫は逃げる気など毛頭ない。それどころか、立ち向かおうとしている。それはあくましゅうどうしの初めの願いであったはずなのに、いつの間にかあくましゅうどうしの方が及び腰になっていた。
 それもこれも、よく怪我をするこの危なっかしい少女に既に心を奪われているからに他ならない。
 あくましゅうどうしも姫が買ってきた服に着替え、ターバンを巻いた。しっぽもうまく隠せた。ターバンがやたらと大きいものの、魔族とは思われない程度にはできたはずだ。そうして二人はオワリノシティへと入ったが、砂漠の地方のペアルックは珍しく、どちらにせよかなり目立っていた。
「魔物ぶっころ饅頭……、君、お饅頭好きじゃなかった?」
「そんな物騒な名前のお饅頭はちょっと」
「魔族にはないの? こういう……、人間殲滅クッキーとか」
「ないよ!」
(人間が野蛮じゃないと見せたいのに、お土産のセンスは魔族の方がいいかもしれない)
 姫も初めて訪れた街なので、初めて見るものでいっぱいだ。ふらふらと歩く姫を捕まえる目的で手を繋いでいるため、二人は余計に目立っている。特に気にしていない二人だったが、周りの方は遠巻きにしているため二人は誰かにぶつかったりするようなこともなくゆっくりと観光ができている。関係を聞かれる度に姫が「カケオチしてるの」と答えるのには参ったが、あくましゅうどうしもかなり楽しんでいた。
「賑わってるねぇ」
「戦争の最前線の街だから、遠くから眺めるツアーなんてものもあるんだね」
「誰かが傷付くのをわざわざ見に行くってこと? サイコパスじゃん」
 姫は首から提げたポップコーンを食べながら素直な感想を言った。
(娯楽のセンスも悪い……。魔族の村には娯楽らしい娯楽もなかったけど)
 これでは、今のところいいところはない。自分はなぜ魔族を見直したのだったか、と考えを巡らせた姫は、ポンと手を打った。
「……そうだ、ご飯食べようか」
「そうだね」
 二人は飲食店が立ち並ぶ通りにやってきた。さすがに観光の街というだけあって様々な種類の飲食店が軒を連ねている。
「何食べるー?」
「うーん、スヤリスさんの好きなものがいいんじゃない?」
 あくましゅうどうしはにこにこと笑いながら「どれがいい?」と続ける。そしてはっと気づいた。普通に二人で観光をしている。そして手を繋いでいる、この状況。
(デートだ、これ!!)
 カッと目を見開いたあくましゅうどうしは、ふと視線を感じ、すぐにいたずら好きの旧友を思い浮かべた。彼を警戒してあたりを窺うが、彼が人間界にいるはずもない。警戒しすぎだと肩を竦め、ふらふらと店を選ぶ姫についていく。
(デート、か。正しくは違うけど、少し浮かれるくらい、いいよな)
「あ、ここがいい」
 姫が決めた店はありふれた食堂だった。観光客だけでなく、地元客も訪れる店だ。
「いいの? 君に相応しいもっと高級な店だってあると思うよ」
「民を知るにはこういう方がきっといいよ」
 食堂はやや混雑していた。二人はキャッキャと食事を選んで、向かいに座って食べ始めた。まるっきりデート中のカップルである。
 姫は、スプーンを口に運ぶあくましゅうどうしを見て、その八重歯の鋭さにはっとした。
(こういうところ、レオ君は魔族なんだな)
 銀色のスプーンを鏡のようにして自分と比べてみても、彼の瞳孔はヤギのそれである。ターバンの下には角だって生えている。
(見た目が違う、だけなのかな)
 わかっていたことであるのに、姫は自分とあくましゅうどうしの差異を目の当たりにして戸惑っていた。そしてそれに戸惑うことに、更に戸惑っている。
(……なんで違うのが嫌なんだろう)
 ぱくっと一口頬張って、姫は目を伏せた。

 食堂を出ても相変わらずぶらぶらしていた二人だったが、そろそろ宿を決めようという話が出た。宿が集まっているあたりに着いたはいいが、一泊1000ゴールドという看板を見かけて、あくましゅうどうしは必死に財布の中身を思い出そうとした。姫の武器や服を買って、足りるか少し怪しい。思わず空いている方の手で顔を覆う。
 姫が「宿をとるね」というのにも上の空で返事をしたため、対応が遅れたことは否めない。
「すみません、休憩したいんですけど。一部屋空いてますか?」
「休憩? うちはそういうホテルじゃないんだよ。そういうのはネオン街に行ってくれるかな」
 宿の主の言葉で、あくましゅうどうしははっと顔を上げた。完全に休憩の意味を勘違いされている。
「あっ、そういう……! そういうのじゃないです! 普通に一泊! 宿泊を!」
「もう、レオ君、私に任せて! 部屋にお風呂はついてますか? 欲を言えば広くて、ジャグジーのがいいんですけど」
「だからそういうホテルはネオン街! あっちでピカピカしてるからすぐ見つかるから!!」
 追い出された。姫は、ことごとく言葉のチョイスを間違ったことに気付きもせず、ぷうっと頬を膨らませた。
「もう、ケチだなぁ。じゃあネオン街っていう方行こうか。でもネオン街って街の地図には載ってないみたいなんだけど、通称なのかな。あっちって言ってたよね」
「……あの、あのね、ネオン街は……だめだと思うなぁ。危ないかもしれないし」
「でもジャグジー付きの高級ホテルはあっちだって。ほら、レオ君は公衆浴場に行けないじゃない? お風呂付きじゃないと」
「そりゃ確かにお風呂付きかもしれないんだけど。野宿じゃだめかなぁ?」
「水浴びばっかりだったからお風呂に入りたい。絶対に」
 姫に押し切られる形で、姫のいうところのジャグジー付きの高級ホテル、またの名をラブホテルに二人は入ることになった。年齢制限があって断られるかもと期待したあくましゅうどうしだったが、無人のフロントを難なく抜けてしまいいよいよ腹を括って生殺しで床で寝る覚悟を決めた。
 姫は、部屋に入ってまずその薄暗さに驚いた。スリッパを履いてパタパタと足音を立てて歩き回るのは、新しいおもちゃを手に入れた子供のようだった。
「暗い!」
「そうだね」
「あ、でも本当にお風呂ついてる。けっこう広いよ」
「よかったね」
 あくましゅうどうしは、ベッドしかない想像通りの部屋に短くため息をついた。
(せめてソファーがほしかった)
「あれ、ベッドしかないね。バスルームにお金をかけすぎたのかな」
 姫は久しぶりに入浴できるということで上機嫌だ。
「お風呂入ってくるね」
「うん」
 姫がお風呂に入っている間、ターバンをとって床に座り、ベッドにもたれかかる。ソファーすらないのにご丁寧に避妊具は用意されているので、姫が見つけないようにそっと隠した。「これは何?」と聞かれかねない。
(無防備すぎるのも、怖いなぁ。私もいい年だし、理性をなくすことはないだろうけど)
 華麗なフラグを立てつつ、あくましゅうどうしは床に座ったまま目を閉じた。
 ところで、姫はあくましゅうどうしの寝起きに遭遇したことがない。初めて立ち寄った村では何をしても起きなかったし、その他の日は姫より早く起きていた。そのため、寝起きに遭遇したことがない。端的に言うと、あくましゅうどうしの寝起きはそれほど良くない。彼の温和な性格は魔王城で働くうちに徐々に獲得したものであり、変化したものである。寝起きのときだけは、悪魔の理想のグレ方とまで言われた性格がほんの少し顔を出す。
 そのためこんな風に――……。
「レオ君、お風呂あがったよ」
 目の前に立って可愛く起こしてはいけないのである。
 それは、悪魔として醜悪な記録に挑戦したときの、体の記憶。あくましゅうどうしは彼に向かって伸ばされた手を掴み、引き寄せた。石鹸の匂いのする首筋を噛みつくように舐めると、姫はひゃんっと小さく声をあげた。
「ど、どうしたの、私を食べ、るの?」
「――……」
 手癖で体のラインを確かめるようにするすると体をまさぐりつつ目を開けると、柔らかな銀糸がまだ少し濡れていた。
(俺、なんでラブホにいるんだっけ――……)
「レオ君……」
「――ぁ」
 あくましゅうどうしが手をぴたりと止め、目を見開くのを姫は間近で見ていた。触れられている指先の温度がすっと下がるのを感じた。
(私は、なんてことを)
 言葉にならない悲鳴を上げ、姫から距離をとり、鼻血を出しながら土下座をするあくましゅうどうし。この世の何よりも恐ろしいものを前にしたように青ざめ、震えている。実際に彼は姫が傷付くのがこの世の何よりも恐ろしいに違いなかった。
「ごめんなさい」
「……えっと」
「私の命で償えるかわかりませんが死んでお詫びを」
「待って」
「来世でまた会えたら……嬉しいです。それでは」
「待って! その……、びっくり、したけど、反省してるんだからいいよ」
「よくないよ。こんなことを許したらダメだよ」
 ぴしゃりと言われ、姫は黙った。
「私は帰るよ。睡魔……はダメだな。ハデス君と交代するよ。人間の良さを教えてくれるなら、彼でもいい……ですよね」
 出会った頃のような敬語であくましゅうどうしは通信玉を取り出しハデスに連絡を取った。突然呼び出されたハデスは、言われた通りにすぐにきた。
「俺は便利屋じゃな――……なんつー場所に呼ぶんだ。……。え、もしかして事後か!?」
「事後ではないけど事故はあったから君に役目を交替してほしくて」
(事故……?)
 ハデスがベッドの上の姫を見ると、彼女は左手で首を押さえ、右手は自分を抱きしめるように回して小さくなり俯いている。ラブホテル特有のペラペラのガウンを着ているのでハデスはぎょっとした。見る人が見れば、姫の方がその気のように見えないこともない。
「えっ、事故って逆レ」
「それ以上言ったら殺すよ? それじゃあ姫、私は旧魔王城に帰ります。明日の朝、またハデス君にここに来てもらうから、勝手に外に出ないでくださいね」
「……うん」
「帰ろう、ハデス君」
 二人が一度旧魔王城に帰ると、一人部屋に残された姫はパタリとベッドに倒れた。奇妙な装飾の部屋の、開けられないようになっている飾り窓の外では、オワリノシティの花火が上がっていた。
「……食べられるのかと思った」
 我に返ったあくましゅうどうしは真っ青な顔をしていた。姫はそれを思い出しながら、驚いてまだドキドキしている心臓を押さえつけるように胸を押さえ、目を閉じた。

 その頃あくましゅうどうしは旧魔王城に戻って数時間経っても自己嫌悪で文字通り死にそうになっていた。ハデスは仕方なく睡魔を起こし、彼に対応を任せることにした。
「私は最低だ……」
(あの姫相手に理性を飛ばしたのか……、魔王城に住み始めた頃に世話してくれた相手だが引くわ)
 ハデスは何も言わないものの、その視線はしっかりとあくましゅうどうしに非難を伝えていた。一方の睡魔は、久しぶりに晩酌の相手が戻ってきたと喜びつつも、あくましゅうどうしの様子にカラカラと笑った。
「なんだお前さん、あの娘さんを襲ったんか」
「うわあああああああ! やっぱり死んでお詫びする!!」
「飲んどけ飲んどけ」
 あくましゅうどうしは睡魔に渡された酒を一気に飲み干し、それから短く呻いた。強力な睡眠薬が混ぜられていたそれは、あくましゅうどうしの意識を一瞬で奪った。眠らされたあくましゅうどうしはそのままその場で倒れ伏して床でしこたま頭を打ったが、起きることはなかった。ケロ、ベロ、スゥがやってきて、温もりを求めてあくましゅうどうしの体の傍で丸まって寝始めたので、寒いこともないだろうとそのまま放置することにした。
「レオナールの奴、明るくなったなぁ」
 いいことだ、と酒をあおる睡魔。
「明るいというよりネジが数本外れたんだ」
 いいことではない、とため息を吐くハデス。
「前よりいいさ。随分いい」
「それは同意する」
 床に転がったままのあくましゅうどうしを眺め、二人は久方ぶりに笑ったのだった。
 
 さて、次の日。ハデスは姫が起きるよりも早くやってきていた。紳士的な彼は通信玉を置いて、準備が出来次第連絡が欲しいと書置きを残して再び戻った。そうして姫からの連絡が来たのは二時間ほど経った頃だった。ハデスも大人しく砂漠の地方の民族衣装を着ているが、ハデスの角は縦に伸びているため、あくましゅうどうしが巻いていたターバンよりも更に大きい。
「さて、人間も悪い奴じゃないと知ってもらう、だったか。どうやって証明する?」
「レオ君はもう来ないの?」
 姫は出掛ける準備こそ終えているものの、ハデスが来てもベッドに座ったままだった。
「貴様に会う気はないようだな。傷付けたとひどく落ち込んでいた。しかし貴様が許してやる必要はない」
 ハデスの言葉に、姫は俯く。
「……レオ君がいい」
 ハデスは思ってもみなかった反応に、首を傾げた。
「貴様、あのジジィにその……嫌なことをされたのだろう?」
「……あれくらいなら我慢できるよ」
「我慢することじゃないんだ。同意なしに体に触るのも最低だ。俺は個人的には貴様が賓客じゃなくても罰するべきだと思うぞ」
 姫は「どうして触るのかわからないけど」と前置きしてハデスに告げた。
「触っていいかって聞かれてたらいいよって言うと思うよ」
 聞き間違いか、とハデスは一瞬思った。まじまじと姫を見ると、姫はまだベッドに座ったまま俯いている。
「……え、貴様あいつのこと、好きなのか? キスできるか?」
「キスはわからないけど私はみんなを平等に愛してるよ」
 平等に、愛してる。
(愛の神じゃあるまいし)
 そのようなことを言う神族はいるが、姫は一人の人間である。
(人間は本当に傲慢だ。いや違うな。この少女は、知らないだけだ)
 人間を導くのも神の役目、であったのは昔の話だが、この少女のことは大人としてきちんと向き合わなければならないと強く感じる。
「触れられても嬉しいのではなく我慢なのだろう? それはいいって言ったらダメだな。俺が言ってるのは博愛じゃなくて恋愛の話だからだ」
「恋愛……」
 恋愛とは、姫からは縁遠かった言葉だ。婚約者はひどくズレた人間で、予定通りに結婚したとしても恋情を育めるとは到底思えなかった。悪い人間ではない、と思うのだけれど。
 そんな風に恋愛を諦めていた姫だったが、あの優しい悪魔となら。そう思わないこともない。
(手を取るのも、繋ぐのも、首を舐められるのだって、レオ君にしか許さない。それは、恋なの……? わからない。けど『特別』だ)
「私は、やっぱり一緒に旅するのはレオ君がいい。レオ君と君が何と言おうと、私は許す」
「クク、わがままな女だ」
「私は、この世界で一番わがままでいい存在だもの」
 ハデスが冥界を通して旧魔王城に繋ぐと、床に転がされたままのあくましゅうどうしがいた。深い眠りはいまだ覚めない。思わず姫が駆け寄ると、ハデスも遅れて戻ってきた。
「寝かせてる。死んで詫びようとするものでな」
「ひどいたんこぶ……。頭をガンガン打ち付けてるの、よく見るよ」
 姫は、そう言いながら床に転がったあくましゅうどうしの頭を柔らかな太ももにのせた。
(やっぱり、こんなことしようと思うのはレオ君だけだよ)
 あくましゅうどうしの頬を撫でつつハデスを見上げると、睡魔がカラカラと笑っていた。
「自分で打ち付けているのか? フォローしきれんくらいやばいな」
「笑いごとじゃない。全然、笑いごとじゃない」
 睡魔は愉快そうに言うが、ハデスは首を振る。姫はあくましゅうどうしのたんこぶを撫でながら少しだけ微笑んでもう一度ハデスを見た。
「……こうしてみてもやっぱり、レオ君がいいな」
「わかったよ。おい、睡魔。あくましゅうどうしを起こせ」
「はいよ」
 睡魔が起こしたとき、あくましゅうどうしの目の前には姫がいた。睡魔により完全に眠気が取り払われた彼は、同じ過ちを繰り返すことはなかったが、ずざざざっと凄まじい速さで後ずさりした。
「姫」
「レオ君じゃなきゃ嫌なの」
「え」
「レオ君が一緒に来てくれないと、嫌なの」
「で、でも」
「でもじゃない。……ハデス君」
「ん?」
「できる。私、できるよ」
 姫は、あくましゅうどうしの胸ぐらを両手でつかみ、そして。
「キス、できるもん」
 キスをした。


姫が序盤で言ってる「(ツノに)髪を巻き付けてそういう髪型ってことにする?」のイメージあったよ