遭難
お題箱より『寒い中イチャイチャ』
その日、魔王軍幹部の会議は重苦しい雰囲気が漂っていた。とある視察の担当者決めが難航しているのが原因だ。
「俺はパスだぜ。雪山じゃ思うように動けねぇ」
「私行く!」
「私も雪山ではほとんど活動できませんわ」
「私!!」
「我輩は城にいた方がいいと思うのだが」
「ねぇってば!」
姫がマフラーや手袋を用意しつつ誰かが発言するたびに話しかける。全員がなんとか聞こえないふりをしているものの、目配せしあって誰か姫を牢に帰らせろと視線を送り合っていた。
現在の会議の議題は、北部にある豪雪地帯の山脈の視察だ。雪深いだけではなく吹雪いていることが多く飛べないため、視察先までの道のりは誰が向かっても過酷なものとなる。これまではm.o.t.h.e.r.が作った雪山攻略用のロボットがあったのだが、いつの間にか姫に壊されていた。修理しても作り直しても費用が掛かりすぎるため、今回はアナログな手段を取らざるを得ないということになったのだ。
とにもかくにも、誰も行きたがらない視察だった。
「ねぇってば、雪山ミルフィーユが食べたいの。だから行く」
ついにあくましゅうどうしの腕を掴んで揺さぶって言うので、あくましゅうどうしは根負けして姫を見た。姫はほとんど定位置となった彼の隣の椅子にちょこんと座っている。
「お土産はそれにしてもらうから、少し静かにしていてね。今は大事な話をしているんだよ」
「みんな行きたくないんでしょ? だから私が行くよ」
「人質の姫が一人で行っていいわけがないのだが!?」
とってもいい提案とばかりに言う姫に、魔王が首を振る。他の面々も魔王の言葉にそれぞれ首肯しているのを見て、姫はぷうっと頬を膨らませた。
「ぬー! 雪山!! 行く!!」
「ピクニックじゃねぇんだぞ!」
「そうですわ、何度凍死してしまうかわかりませんのよ、姫」
「かえんどくりゅうはどうだ? 温めながら進めばいいのではないか?」
全員がかえんどくりゅうを見たが、彼はゆっくり首を振った。
「いや、俺が通った場所がことごとくアイスバーンになるんで出禁くらってます」
「じゃあ魔王様かジジィか犬! 雪山で動きが制限されねぇのお前らくらいだろ!」
「ポセイドンくん、ワープで行けないの?」
「だーかーらー、俺は攻撃が全部凍るからなんもできねぇの」
再び姫をおいて醜い押し付け合いを始めた十傑衆だったが姫は諦めない。
「だから、私が行くってば。私がロボットを壊しちゃったのがいけないんだから」
改めて明示された今回の議題の原因に、何体かがはっとした顔をした。確かに、この会議の原因となったロボットの故障には姫が噛んでいる。しかし、先程も魔王が言ったように、人質の姫が一人で、しかも魔王軍の幹部の代わりに視察など許されるはずもない。
「いやいや、納得しかけたけど……。いくら故障の責任を取るっつてもだめだよな、魔王様」
かえんどくりゅうがわざと「故障の責任」という言葉を強調して確認すると、全員が「故障」とか「責任」とかもごもご呟いた。
「故障の責任を取りたいというなら……いいのではないか?」
「何を言ってるんです、だめですよ! アルラウネさんも言ってたけど、何度凍死するかわかったものじゃないですし」
「……ジジィ付いて行けよ」
「えっ」
「そうだな。どうせ一人では行かせられない。その上回復できるあくましゅうどうしが付いて行けば安心だ。頼むぞ」
「待ってください、冗談じゃないですよ! 一体でも過酷なのに、姫を守りながらなんて無理です!」
「レオ君、大丈夫だよ」
姫が親指を立てて見せるので、魔王は遠くを見て頷いた。
「では、本人も乗り気だし雪山視察はあくましゅうどうしと姫ということで」
かくして、さっさと担当者を決めたい何体かにより雪山への視察はあくましゅうどうしと姫が行くことになった。
数日後には魔王が「何故選んだのだ」と頭を抱えること必至の任命であった。
***
視察当日。姫もあくましゅうどうしもウィンタースポーツ用の分厚い装備を渡されて雪山登山へ臨むこととなった。スキーで使うようなストックもあり、あまり可愛くない重装備に姫のテンションは少し下がっていた。
「これから麓まで送ってもらうけど、本当に行くの? やめるなら今だよ」
「行く」
「……わかった」
最終確認を終えたあくましゅうどうしが改を見遣ると、彼は真面目な顔で頷いた。
「よし、準備できたな。最後にウェアのベルトにこのカラビナを通して、ロープを結ぶ。これではぐれることはない」
「ありがとう、改君」
「地図は大丈夫か?」
「大丈夫、頭に入れておいたよ」
雪山の麓まで送ってもらい、それぞれ眩いほどに白い雪山を見上げる。重装備に隠れているため姫の表情はあくましゅうどうしから見えにくかったが、それでも決意は揺らがなそうだとようやく彼も覚悟を決めた。
「いいかい、姫。今日はしばらくすると吹雪くみたいだから、一番近い山小屋まで行くよ」
「うん」
「……本当に行くんだね?」
「うん」
「……よし、行こう」
あくましゅうどうしが言うと、姫は「おー」と拳を突き上げる仕草をした。ザクッとストックを突き立て、それぞれ雪山攻略への一歩を踏み出す。
雪山登山は順調に進み、登り始めて二時間ほどで目的の山小屋に辿り着いた。登山は好きそうではない姫も、文句ひとつこぼさなかった。お目当ての雪山ミルフィーユはそれほどまでに魅力的らしかった。
(これで今夜吹雪いてもやり過ごせる)
あくましゅうどうしがほっと息をついたとき、まだ鼻の先が赤い姫が山小屋に置きっぱなしにされていた雑誌の見開きを見せてきた。
「ユキウサギっていう魔物、触りたい」
「うん、明日ね」
「この山小屋周辺みたいだよ。すぐに戻ってくれば大丈夫じゃないかと思うんだけど」
「そうかなぁ?」
(二人っきりで山小屋にいるよりは、気が紛れるかな)
それは、選んではいけない選択肢。
姫が見たいと言ったユキウサギという魔物を追いかけ――正確には、ユキウサギを姫が追いかけ、その姫をあくましゅうどうしが追いかけて、気が付いたときには戻るべき山小屋からはかなり遠ざかっていた。目視できる距離であることを確認していたあくましゅうどうしも、ふと姫に気を取られたときにはもう山小屋は見えなくなっていた。すぐ戻る予定だったので、ストックを含めほとんどの荷物は元の山小屋に置いて来ている。
(遭難寸前……)
あくましゅうどうしが青くなって辺りを見渡すも、あたりは一面の銀世界だ。
「姫、もう危ないよ。戻ろう」
「あれ、山小屋……見えないや」
「近くに別ルートの人が使う山小屋があるはずだ。そっちに行こう」
「うわ、歩きにくい」
「手を貸すよ」
「この手袋、指が曲げにくいね。すり抜けちゃう」
「私の手首を掴んで」
雪がチラつき始めている。お互いの手首を掴むような形でしっかりと手を繋いで歩きだす。こんな状況でなければ手を繋いでいることに舞い上がったであろうあくましゅうどうしだが、それよりも反省に気を取られていた。
「……何やってるんだろう、私」
ぽつりと呟いたのはいつもの自己嫌悪だ。
(そもそも外に出るべきじゃなかった)
「ごめんね」
「いや、姫だけのせいではないよ」
「でも、レオ君と一緒でよかったよ」
「え」
姫の言葉に、一瞬にして自己嫌悪が吹っ飛び、ときめき、そして思わず笑みがこぼれる。あくましゅうどうしは頬を染めながら「私と一緒でよかった……?」と繰り返した。
降り出した雪は止む気配をみせないどころか、少しずつ風も出てきていた。
「うん、一人だとさすがに心細い」
「あ、一人よりよかったってことか、そうだよね」
吹雪く雪山で遭難、というどう考えても姫の言葉に一喜一憂している場合ではない状況に陥っているのだが、残念ながらあくましゅうどうしを諫める者はいない。せめて早急に避難用の山小屋を探すべきなのだが、彼らは同じ状況にある事例の中でも飛びぬけてのんびりしていた。
姫に関しては地獄の炎を呼び出す魔術を使えばいいと楽観視しているからであり、あくましゅうどうしは完全にそのあおりを受けた形となる。
(目印は山頂と、向かいの山だけ……。五分探して見つからなければ山を下ろう)
記憶の中の地図を頼りに目を凝らしながら姫をぐいぐい引っ張ってい行くあくましゅうどうしは、幸運にも数分で真っ白な世界の中に佇む山小屋を見つけた。
「あった!! 山小屋!!」
山小屋に駆け込み、大の字に倒れて息を整える。思っていたよりも体力を消耗していたらしく、起き上がるまでにしばらくかかった。
「……よかった……」
「本当によかったぁ。そろそろ寒いし魔術で地獄の炎を出そうかと思ってた」
「あ、じゃあそれで暖炉の火をつけてくれたら助かるよ」
「うーん、その魔術を使ったら山小屋ごと吹き飛ぶからどうかな」
「そんな物騒な……!? ていうかアレだね!? その魔術って最近凍てつくみずうみの環境変えたやつでしょ!? すぐ消えるとはいえ、あんなのホイホイ使っちゃダメだよ」
「さい、きん……?」
凍てつくみずうみに行ってから数度のお正月を過ごしている姫にとって、それは最近の事ではない。消えるのも十年かかるという話だ。すぐではない、どちらかというと気が遠くなるほど先と言った方が姫の感覚には合っていた。
姫は大きな瞳を瞬かせ、「あぁ……」と声を漏らした。
(数百年生きているレオ君にとっては、数年前も最近なんだ)
しんみりしそうになったが、今は命の危険もある。姫は気を取り直して今後の計画を考え、あくましゅうどうしに話しかけた。
「じゃあ、小屋の外に地獄の門を開けてくるから、そこから火を持ってこよう」
「私の話聞いてた!? 環境を変えちゃダメ! というか、変に雪が解けたら何が起こるかわからないからだめ」
「……そっか、じゃあ暖炉は無理だね。こういうときはアレだよ。先週サバイバル番組で見た。裸で温め合わないと」
(サバイバル番組……! だから雪山についてきたのか……!)
姫はいたって真面目である。番組で見たことがさっそく応用できそうで嬉しいこと以外は、真面目に言っている。
対して、あくましゅうどうしは想像しただけで気絶寸前だった。
(だめだ、今気絶したら裸に剥かれる……!)
「ちょっと待って! 暖炉の周りに火をつけるものがあるはずなんだよ、魔術が使えない子だっているんだから」
あくましゅうどうしがひだねいしを見つけて暖炉に火をつけるのを、姫はちょこんと座って待っていた。火は無事についたものの、部屋が暖まるまでには時間がかかりそうだった。
「……寒い……、やっぱり、裸で……」
じりじりと距離を詰めてくる姫から逃げるかのように立ち上がり、あくましゅうどうしはそのまま距離をとった。体力を消耗する上に非効率的ではあるが、結果的にその行動で体内の熱が作られたことは不幸中の幸いだった。
狭い山小屋の中でいつまでも逃げ切れるはずもなく、あくましゅうどうしは姫の体当たりのような捕縛により捕まった。
「つーかまえた! さ、裸で温め合おう」
「ひぃ……! だ、だめ――……」
全力の拒否をしようとしたあくましゅうどうしだったが、あくましゅうどうしの服を掴んだ手が震えていることに気付きがばっと抱きしめた。
「ご、ごめんね。ウェアの上からでも、暖かいと思うから」
姫を抱きしめたまま暖炉の前に移動する。改めて彼女を見てみると、小さく震え顔も蒼白かった。
「……さ、さむ……」
「食べ物がないか探すよ。何かお腹に入れないと」
「いい、ぎゅって、してて」
(もしかして、恥ずかしがっている場合じゃないレベルなのか?)
「さ、さっき、小屋まで走ったとき、ウェアの中で、少し、汗、かいて。今、それが、冷えちゃった、みたい」
寒さで歯の根が合わなくなってきたようで、言葉を発する間に歯がかちかちと音を立てる。
体格がよく、程よく筋肉がついているあくましゅうどうしは凍えるほどとまでは思っておらず、姫が興味本位で言っているのだと思い込んでいた。
ようやく本当に凍えているのだと思い至ったときには、姫の顔は真っ青を通り越して生気のない白になりかけている。姫は、そんな危機的状況で殊勝に微笑んで見せた。
「もし、凍死……しても、レオ君が、蘇生して……くれるよね?」
「凍死なんてさせないよ!」
あぁもう、と独り言ちながらあくましゅうどうしはウェアをはだけて姫をウェアで隠すように招き入れた。姫の冷たい頬がぴたりとあくましゅうどうしの胸に当たり、腕のあたりにぞわぞわと鳥肌が立つ。
自らの熱が姫の頬に移っていくのを、あくましゅうどうしは目を閉じて感じていた。心臓がドキンドキンと音を立てているのを、あくましゅうどうしの胸に耳を付けた姫はおそらく聞いている。姫の命の危機だというのに、自分は何を邪な気持ちでいるのか、とあくましゅうどうしは情けなく思った。
やがて、姫は震える手でごそごそと自分のウェアもはだけさせた。硬さのあるウェアの感触から姫の柔らかい肌の感触に変わったことに、あくましゅうどうしは目を見開いたが悲鳴はなんとか嚙み殺した。
「本当に、あったかいんだね」
自らの腕の中からくぐもった姫の声が聞こえてくることに、あくましゅうどうしはまた頬を染めて目を閉じた。
(いやらしくない、いやらしくないんだ、これは)
何度も自分に言い聞かせる。
「ねぇ、レオ君」
姫が口を開いたのは、彼女の小さな歯がかちかちと鳴らなくなってからのことだった。
「なんだい? 薪を足そうか」
「ううん、そうじゃなくて。さっきちょっと思ったんだけど、私達の時間の感覚って本当に違うんだね」
「うん? うん、そうかもね」
姫はウェアの中であくましゅうどうしの背中に腕を回した。あくましゅうどうしはまた悲鳴を上げたい気持ちを押さえて、ウェアの上から抱きしめ返す。
(今に限っては気絶した方がいい気がする。今の私は姫の寝具。姫の寝具だ)
じわっとお腹のあたりが温かく感じる。姫の体温が無事に戻ってきていた。
「私は……、最近仲良くなった人間の姫、なのかな」
「ん?」
「私は、もうけっこう長い付き合いだと思うんだけど」
「時間の長さだと、確かに私にとっては最近だよ」
「……」
「でも、そんなの関係ないくらい、君は私の心に深く深く潜り込んでいるんだよ」
言ってしまってから、姫の反応が怖いと一瞬息をひそめて反応を窺ったが、スヤァ……と寝息が聞こえてきて、「わかってたよ……」と呟いた。核心に触れることはいつだって聞いていない。ほっとしたような、聞いていてほしかったような気持ちだった。
しかしすぐにハッとしてあくましゅうどうしは慌てて姫を起こした。
「姫っ、寝ちゃだめだよ、死んじゃうよっ」
「……うーん……」
「……あの、寝たら死んじゃうってよく聞くから……」
「それは低体温症の症状の一つに眠気が現れるからで低体温症による眠気だと死ぬ確率は高いけど寝たら即死ぬということではない」
姫は起こされたことが不満のようで、早口でまくし立ててもう一度目を閉じた。
「……そう……なんだ」
あくましゅうどうしの相槌を、姫は既に聞いていない。体に感じる体温は、先程より更に温かい。やんわりとした眠気を感じるが、言われてみれば確かに、症状として意識が遠のくというよりは事後の眠気に近かった。
「確かに、低体温症の危機は脱したかもね、うん……」
あくましゅうどうしはいよいよ寝具になろうと、姫を抱きしめたままごろりと横になった。小柄な姫の体重では、あまり息苦しさもない。
――私は、もうけっこう長い付き合いだと思うんだけど。
(そんなことを言ったら、私は君の婚約者より長い付き合いではないじゃないか)
ここにいない男に嫉妬しても、と思うのだが。
姫に言った通り、彼の長い生涯に比べると姫との出会いはごく最近のことだ。でもそこに意味はない、とあくましゅうどうしは考えている。
「……時間よりも深さだよ。あ、違うな。厚さ、かな」
ぽつりと呟いた言葉は、暖炉で燃える薪が小さく爆ぜる音よりも小さい。
「姫が食べたいって言ってたミルフィーユみたいに、想いが積み重なって甘く、時には重い。きっと君は胃もたれしちゃうよ」
聞いていなくても言わなければならない、そんな言葉があって。
「……」
(私の胃は結構強いよ、レオ君)
だからこそ聞いていないふりをしなければならない、そんな言葉がある。
姫はあくましゅうどうしの上で、彼の心音を聞きながら寝るのも悪くないと頬をすり寄せて意識を手放した。
***
あくましゅうどうしが腰の鈍痛で目を覚ましたとき、腕の中には姫がいた。姫はじっとあくましゅうどうしを見ていたので、寝ぼけまなこのあくましゅうどうしと目があう。
「!?」
飛び起きると、姫は「おはよー」と言いながらもぞもぞ起きた。あくましゅうどうしがぱくぱくと何か言いかけるのをよそに、ぐっと伸びをしている。
(なんで……。あ、そうか。そうだ、凍死しかけたから温めたんだ。やましいことはなくて。そうだ、みんなに顔向けできないことは何もない)
自分に言い訳するかのように、何度もやましくないと考える。
「レオ君って本当に何しても起きないよね。私はもうお風呂に入って準備万端だよ」
「あ、そう。えっと、じゃあ私もお風呂いただこうかな」
「あ、その後髪梳いてね」
「うん」
床で寝たために腰が不穏な音を立てている。あくましゅうどうしは腰をかばいながらよろよろと風呂に向かい、風呂に入る準備をしている最中に崩れ落ちた。
(なんでお風呂に入って腕の中に戻ってるのかなぁ!?)
その後、一度荷物を取りに戻るというタイムロスはあったものの、なんとか視察を終えることができた。途中の山小屋でも引き続き「裸で温め合う」と迫られ、帰る頃にはあくましゅうどうしの心労と腰痛はピークに達していたこと以外は順調な視察だったといえる。なお、あくましゅうどうしは視察の報告の際、一時的に遭難したことは省いた。
姫はお目当てのミルフィーユを無事に食べることができた他、帰りはそりで一気に滑り降りたため、視察の感想を聞かれると楽しかったのでもう一度行きたいと何度も話したが、登山のことは良かったことも悪かったことも、一言も言わなかった。そのため、魔王城では登山中にあくましゅうどうしと仲違いしたのではという噂も流れたが、当の本人たちは知ってか知らずかいつも通りだった。
ただ、時々姫が布団にもぐりこむようになったことは、あくましゅうどうしは知らない方がいいのかもしれない。